THE NIKKEI MAGAZINE
9/5(金) 6:03
連載《とっておきの旅》
■函館「HOTEL 白林 HAKODATE」 旧ロシア領事館を改修
函館港を一望できる幸坂の中腹にこの夏にオープンした「HOTEL 白林(ビャクリン) HAKODATE」。 100年以上も前に建てられたこの建物は、明治期に帝政時代のロシアが建てた日本に唯一現存する建造物で、往事はロシア領事館として使用されていました。そんな歴史的な建物を改修し、新たにウェルネス棟も加わった最新の注目スモールラグジュアリーホテルです。 歴史が息づく函館の街になじむこのホテルは、港町・函館の情緒あふれる街並みを楽しみながら、食・建築・ウエルネスをトータルで体感できるのが魅力。設計は中山眞琴氏が担い、建築好きからも注目を集める存在です。
■領事館棟とウェルネス棟、全6部屋スイート仕様
ゲストルームは領事館棟に2部屋、ウェルネス棟に4部屋。全室にプライベートサウナと水風呂を設えたぜいたくなスイート仕様になっています。 領事館棟は一世紀以上の歴史の面影を残した温かみのある室内。 ウェルネス棟はホテル開業のために新たに増築され、各部屋に光庭と半屋外露天風呂が付き、モダンで機能的なインテリアがそろいます。 どちらの棟に宿泊しても、暖炉やジャグジー、プールやドライ&ミストサウナを備えたウェルネススペースの大空間、また、ジムやライブラリーへのアクセスができます。 新旧の棟を行き来しながら過ごす時間は、特別なひとときとなるでしょう。
■港を眺めながら北の大地の恵みを味わう
往年の面影を残すエントランスからメインダイニングに足を踏み入れると、ガラス窓一面に広がる港の景色に旅情がいっそう高まります。 宿泊には「メインダイニング 白夜」での朝食、夕食はフレンチまたは寿司(すし)が含まれます。 イノベーティブなモダンフレンチは、フランスで巨匠ベルナール・ロワゾーやM.O.F.ジャック・マキシマンに師事したエグゼクティブシェフ、因藤徳郁氏による、ダイナミックな美食の世界。「十勝ELEZO」の蝦夷鹿など、北の大地の恵みを存分に味わえます。 北海道の新鮮な魚介を食したいなら「すし処 船見」をチョイス。函館の名店「すし処 木はら」で10年研さんを積んだ、気鋭の若大将・川邉純平氏が函館近海や道内の海で採れた大粒のホタテやツブ貝、ウニ、マグロなど、ここでしか味わえない旬の「EZO前にぎり」を提供してくれます。 「Bar Hakodadi」では、バーだけの利用も可能。重厚な雰囲気が漂うオーセンティックな空間には名バーテンダーがカウンターに立ち、特製のカクテルも人気を集めています。
■心身をリトリートするウェルネススペース
光と影がドラマチックに織り成す、広々としたウェルネススペースには、暖炉、ジャグジー、小プール、ドライサウナ、ミストサウナ、ジム、ライブラリーを設置。 好きな時間に好きなだけ、のんびりとしたりリフレッシュしたり。心と体と脳を緩やかに解き放ち、 究極のリラックスと癒やしを体験してください。 函館の旧ロシア領事館をリノベーションしたスモールラグジュアリーホテル「HOTEL 白林 HAKODATE」。2人1室利用1人17万8640円から(夕食、朝食付き、税サ込み)。
■輪厚「SONEKA」 草原に囲まれたテラス、極上の時間
新千歳空港から車で約35分の輪厚に昨年夏オープンした「SONEKA(ソネカ)」は、豊かな森に包まれた四季折々の景色を感じられるプライベートヴィラリゾートです。 恵庭岳を含む山々の景観と一つになった広大な草原、実り豊かな森に囲まれてたたずむ4棟は大自然に抱かれていることを実感できそう。 ヴィラから一望できる場所には、360度を草原に囲まれた「草原テラス」があって、そちらでの朝食や夕食は、非日常で極上の時間に。 大自然ならではのアクティビティーも豊富で、乗馬体験、熱気球体験などもあります(別途料金)。 ダイナミックな北海道の自然を心ゆくまで享受できるのが魅力です。
■ヴィラでダイナミックな自然を満喫
ヴィラはすべてが一棟貸しでそれぞれの棟は自然のプライバシーで守られています。 エントランスを中心に比翼のように伸びるリビング棟と寝室棟に分けられたスペースに、森林露天風呂、屋外と一体になったサーマルプールや大地に浮かぶネットベッド、林に隠れるツリーテラスなど部屋に居ながらにして自然を存分に愉しむための工夫が施されています。 室内は道内・旭川から厳選した家具を中心に木のぬくもりを感じる設えです(ヴィラ「INKARA」は設備の構造上安全の観点より12歳以上が宿泊可能)。
■シェフがヴィラに出張し薪火ディナー
全てのヴィラにはキッチンが併設され、テラスにも薪火グリル付きのキッチンが常設。自身の別荘のように調理も出来る完全プライベートダイニングとして楽しめます。 希望に合わせて、ミシュラン星付き和食レストラン「みえ田」の地元の食材を中心にした薪火ディナーや料亭「エルムガーデン」の囲炉裏会席など、シェフがヴィラに出張サービスも。 食事は、草原テラスの他、インルーム、アウトドアダイニング、囲炉裏ダイニング、水辺のテラスなど、多様な場所で、ここでしか体験できない時間を楽しめます。
■季節ごとの雄大な景色を楽しめる天然温泉
各ヴィラに備えられた天然温泉は、北海道の壮大な自然に包まれたプライベートな空間です。目の前に広がる北海道の四季折々のパノラマビューとともに、朝焼けから日中の鮮やかな空、トワイライトや満天の星空まで。時間とともに移ろう景色を独占しながら、ぜいたくなバスタイムを。 夏の終わりのこの時期、雪に囲まれた数カ月後を想像しながらの入浴も至福の時間になりそう。 季節の景色を眺めながら輪厚ならではの大自然の中でのウエルネスステイが実現します。 大自然に囲まれた草原テラスでディナーを楽しめるヴィラホテル「SONEKA(ソネカ)」。1棟利用1人30万2500円から(夕食、朝食付き。税サ入湯税込み)。
■ニセコ「SANSUI NISEKO」 スノーリゾート、季節ごとに多様な魅力
ニセコの街で真冬の高級スノーリゾートホテルとして富裕層インバウンドにも人気のミシュランキーホテル「SANSUI NISEKO(山翠ニセコ)」。 羊蹄山やアンヌプリ連峰に囲まれたこの場所は、季節ごとに変わる壮麗な景観に包まれ、静寂と自然美に満ちたぜいたくな時間が流れています。 ニセコ東急グラン・ヒラフスキー場に隣接し、ホテルから直接ゲレンデにアクセスできるスキーイン・スキーアウト仕様。スキーヤーにはたまらないロケーション。 またニセコ連峰からくみ上げられたミネラルを豊富に含む天然温泉は保温効果、美肌効果にも優れているといわれています。湯けむりの向こうには四季折々に表情を変えるニセコの絶景が広がり、スノーリゾート以外の趣も満喫できるホテルです。
■滞在に合わせて選べるゲストルーム
多彩なゲストルームを有する「山翠ニセコ」。機能的に設計されたスタジオから、1〜3ベッドルームのスイート、そして雄大な山々を一望できる3〜4ベッドルームのペントハウスまで、旅のスタイルに合わせて選べるのがうれしい。 インテリアは上質な天然素材をふんだんに使用したぜいたくな空間。洗練された和の美しさと自然のぬくもりが調和し、部屋で過ごす時間が長くなりそうな快適さです。
■自慢の天然温泉で心と体がほぐれる瞬間
ニセコ地区にはたくさんの源泉があり、温泉地としても有名です。「山翠ニセコ」の泉質は、豊富なミネラルに加え硫黄やカルシウム、マグネシウムなども含み、疲労回復や血行促進、肌をなめらかに整えハリと潤いを与えてくれる美肌効果も期待できます。 宿泊者限定で利用できる大浴場に加え、静かな時間を独り占めできる貸し切り温泉も完備。 四季折々に表情を変えるニセコの絶景を眺めながらの入浴は幸せな時間に。
■ラグジュアリーな寿司と気軽なダイニング
滞在中ぜひ訪れたいのは「鮨心 by 宮川」。札幌のミシュラン三つ星店「すし宮川」の分店です。総監修を務める宮川政明氏は、自らのルーツである北海道の豊かな食材に、江戸前寿司の粋を重ね合わせ鮨心の職人たちに継承しています。旬の食材が持つうまみを最大限に引き出したおまかせコースがおすすめです。 カジュアルでモダンな雰囲気の「SANSUI DINING」は朝食からディナーまで終日営業しているのがうれしい。北海道各地の厳選された海の幸と山の幸を使った、バラエティー豊かな料理の数々をご堪能いただけます。ディナータイムは、食材と同様に厳選されたワインやスピリッツも豊富に取りそろえ、バーのように気軽に立ち寄れるカジュアルな雰囲気です。 またニセコを代表する名店「Toshiro’s Bar 」も注目。ベスト・オブ・ニセコアワードを何度も受賞しているマスターバーテンダー戸城亮紀氏のカクテルは必飲です。 高級スキーリゾートで天然温泉と「ミシュラン鮨」を満喫できるホテル「SANSUI NISEKO(山翠ニセコ)」。2人1室利用1人1万8000円から(朝食付き、税サ込み。入湯税宿泊税込み)。 文:阿部有希(ライター)
阿部有希
ファッション、トラベル、車などを中心に女性誌、男性誌、WEB、企業サイトなどで執筆、編集ディレクションを行う。ハワイ渡航歴は150回超え。ドライブ好きが高じてハワイ州のドライバーライセンスも取得。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。